WordPressのURLの秘密!スラッグって何?SEOにも強くなる設定方法を日本一やさしく解説
こんにちは!「Officeの備忘録」の管理人です。いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。
WordPress(ワードプレス)でブログ記事を書いていると、「タイトル」や「本文」以外にも、なんだかよく分からない設定項目があって戸惑うこと、ありますよね?特に、記事のURLに関わる「スラッグ」という言葉、聞いたことはあるけど「それって美味しいの?」なんて思っていませんか?
実はこの「スラッグ」、あなたのブログがたくさんの人に見てもらえるか、そしてGoogleなどの検索エンジンに好かれるか(これをSEO:エスイーオー、検索エンジン最適化のことです)に、とっても大きな影響を与える、隠れた重要キャラクターなんです!
「え、URLなんて気にしたことなかった…」「SEOって難しそう…」と思ったあなた、安心してください。この記事を読めば、
- 「スラッグ」が一体何者なのか、小学生にも分かるように理解できます。
- なぜスラッグがブログにとって大切なのか、その理由がスッキリ分かります。
- SEOに強く、読者にも親切なスラッグの作り方と、具体的な設定方法が身につきます。
- スラッグ設定で失敗しないための注意点や、よくある疑問も解決できます。
この記事を読み終える頃には、あなたは「スラッグマスター」になっているはず!難しそうな専門用語はできるだけ使わず、たくさんの例え話を交えながら、とことん分かりやすく解説しますので、リラックスして読み進めてくださいね。
結論を先に言ってしまうと、「スラッグを適切に設定することは、あなたのブログの価値を高め、より多くの読者に情報を届けるための、簡単で効果的な第一歩」なんです。
さあ、一緒にWordPressのURLの秘密を解き明かしていきましょう!
スラッグって一体なにもの?~URLの「ニックネーム」と覚えよう~
まずは基本の「き」。スラッグとは何か、というお話から始めましょう。
スラッグ(slug)とは、一言でいうと「ウェブページ個々のアドレス(URL)の末尾につく、そのページの内容を表す短い文字列」のことです。なんだかカタカナで難しそうですが、例えるなら、ウェブサイト全体の住所が「ドメイン名(例:office-bBology.com)」だとしたら、スラッグは「各部屋についている部屋名やニックネーム」のようなものだと考えてみてください。
例えば、あなたが「美味しいカレーの作り方」というタイトルの記事を書いたとします。WordPressは、あなたが何もしないと、記事タイトルを元に自動でスラッグを作ってくれます。でも、この自動生成されたスラッグ、時々ちょっと困ったことになるんです。
もし記事タイトルが日本語のままだと、URLはこんな感じになることがあります。
https://office-bBology.com/美味しいカレーの作り方
「お、分かりやすいじゃん!」と思いましたか? でも、このURLをコピーして誰かにメールで送ったり、SNSでシェアしたりすると…あら不思議!
https://office-bBology.com/%E7%BE%8E%E5%91%B3%E3%81%97%E3%81%84%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9
なんだか呪文のような、長くて意味不明な文字列に変わってしまいましたね。これは「URLエンコード」といって、日本語などの全角文字をURLで使える半角英数字記号に変換した結果なんです。これでは、パッと見て何の記事か分かりにくいですし、見た目も美しくありません。
そこで登場するのが「スラッグのカスタマイズ」です。先ほどの「美味しいカレーの作り方」という記事なら、スラッグを例えば「curry-recipe」のように、シンプルで分かりやすい英語(やローマ字)に設定し直すことができます。そうすると、URLはこうなります。
https://office-bBology.com/curry-recipe
どうでしょう?スッキリして、何の記事かパッと見て分かりやすくなりましたよね。これがスラッグの役割であり、カスタマイズする大きな理由の一つです。
つまり、スラッグとは、
- URLの最後の部分で、記事の内容を表すもの。
- 通常、記事タイトルを元に自動生成されるけど、自分で編集できる。
- 分かりやすい英語やローマ字にすることで、URLがスッキリする。
というわけです。家で例えるなら、自動で割り振られた無機質な部屋番号(例:101号室、202号室)を、「子ども部屋」「パパの書斎」のように、分かりやすいニックネームに変えるイメージですね!
なぜスラッグがそんなに大切なの?2つの大きな理由
「ふーん、URLがキレイになるのは分かったけど、それってそんなに重要なの?」と思うかもしれません。実は、スラッグを適切に設定することには、見た目以上に大きなメリットがあるんです。主に次の2つの点で、あなたのブログにとって非常に重要になります。
理由1:読者にとって分かりやすい!~迷子の防止と信頼感アップ~
まず一つ目の理由は、読者さん(ユーザー)にとっての分かりやすさが格段にアップすることです。これを専門用語で「ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上」と言ったりします。
例えば、あなたが何か調べ物をしているとき、検索結果やSNSで気になる記事のリンクを見つけたとします。そのリンクのURLが、先ほどの呪文のような長い文字列だったら、ちょっとクリックするのをためらいませんか?「これ、本当に大丈夫なサイトかな?」「何の記事だろう?」と不安に思うかもしれません。
一方で、URLが「/how-to-use-wordpress
」のように、内容が推測できるものだったらどうでしょう?「ああ、WordPressの使い方についての記事なんだな」と安心してクリックできますよね。
分かりやすいスラッグは、読者に「この記事には、私が探している情報がありそうだ」という期待感と安心感を与えます。これは、お店の看板が分かりやすくて入りやすいのと同じです。ごちゃごちゃした看板のお店より、何のお店か一目で分かる看板のお店の方が入ってみたくなりますよね。
さらに、URLがシンプルで分かりやすいと、こんな良いこともあります。
- クリックしてもらいやすくなる(クリック率の向上):内容が分かるので、興味を持ってもらいやすい。
- 記事の内容を覚えてもらいやすい:例えば「あのカレーレシピの記事、どこだっけ?」と思い出すときに、URLがヒントになることも。
- URLを他の人に伝えやすい:口頭で伝えるときも、シンプルなら簡単です。
- サイト全体の印象が良くなる:細かい部分まで気を配っているサイトは、信頼できる印象を与えます。
読者さんがあなたのブログを見て「分かりやすい!」「使いやすい!」と感じてくれれば、また訪問してくれる可能性も高まります。スラッグは、そんな読者さんとの良い関係を作るための、小さなおもてなしの一つなんです。
理由2:検索エンジンにも好かれる!~SEO効果で上位表示のチャンス~
二つ目の理由は、Googleなどの検索エンジンに記事の内容を伝えやすくなり、結果として検索結果で上位に表示されやすくなる(SEO効果が期待できる)ということです。
検索エンジン(例えばGoogleやYahoo!など)は、世界中のウェブサイトの情報を集めて整理し、ユーザーが何かを検索したときに、最も役立つと思われるページを順番に表示しています。この「役立つページ」と判断してもらうために行う様々な工夫のことを「SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)」と呼びます。
検索エンジンは、人間のように記事を読んで「なるほど、これはカレーの作り方について書かれた素晴らしい記事だ!」と感情で理解するわけではありません。URLの文字列、記事のタイトル、見出し、本文中のキーワードなど、様々な手がかり(これを「シグナル」と言います)を元に、機械的に「この記事は何について書かれているか」を判断しようとします。
このとき、スラッグに記事の内容を表すキーワードが含まれていると、検索エンジンにとって大きなヒントになります。
例えば、「美味しいカレーの作り方」の記事で、スラッグが
- 自動生成された日本語のままのエンコードされた文字列:
/%E7%BE%8E%E5%91%B3%E3%81%97%E3%81%84...
- 内容と無関係な文字列:
/12345
- 内容を表すキーワードを含む文字列:
/curry-recipe
だとしたら、検索エンジンはどれが一番「カレーのレシピに関する記事」だと判断しやすいでしょうか?もちろん、一番下の「/curry-recipe
」ですよね。
検索エンジンに「この記事は〇〇についてですよー!」と正しく伝えることができれば、関連するキーワードで検索されたときに、あなたの記事が上位に表示される可能性が高まります。これは、お店のジャンル(例:ラーメン屋、パン屋)を看板でハッキリ伝えることで、そのジャンルのお店を探しているお客さんに見つけてもらいやすくなるのと同じです。
また、短くてシンプルなスラッグは、他のサイトからリンクを貼ってもらう(これを「被リンク」と言い、SEOでとても重要です)際や、SNSでシェアされる際にも、見た目が良く、どんな内容か伝わりやすいため、好印象を与えます。
ただし、ここで一つ注意点!スラッグにキーワードを詰め込みすぎたり、不自然に長くしたりするのは逆効果です。あくまで「分かりやすく、簡潔に」が基本です。SEOのためだけに読者が混乱するようなスラッグを作るのは本末転倒ですよ。
スラッグを設定しないとどうなるの?(デメリットまとめ)
ここまでスラッグの重要性をお話してきましたが、逆にスラッグを意識しないで、WordPressが自動生成する日本語のままのスラッグや、意味のない文字列のスラッグを放置しておくと、どんな困ったことがあるのか、改めてまとめてみましょう。
スラッグをサボった場合の残念なことリスト
- URLが長くて呪文みたいになる:コピペしたときに意味不明な文字列(例:
%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AB%E3%81%A1%E3%81%AF
)になり、見た目が悪い。 - SNSでシェアしにくい:長すぎて表示が崩れたり、怪しいリンクだと思われるかも。
- 読者が内容を推測しにくい:クリック前にどんな記事か分かりづらく、離脱の原因になることも。
- 検索エンジンが内容を理解しにくい:キーワードが含まれないと、SEO的に少し不利になる可能性がある。
- サイト全体の印象が悪くなる:細部への配慮がないサイトだと思われるかもしれない。
- 後から変更するのが大変:一度公開した記事のURLを変えると、色々面倒なことが起きる(詳しくは後述します)。
どうでしょうか?「たかがURLの一部」と侮れないですよね。ほんの少しの手間でこれらのデメリットを回避できるなら、やらない手はありません!
SEOに強く読者にも優しい!スラッグ作成の黄金ルール5箇条
では、実際にどんなスラッグを作れば、読者にも検索エンジンにも喜ばれるのでしょうか? ここでは、スラッグ作成の「黄金ルール」を5つ、ご紹介します。これさえ押さえておけば、あなたもスラッグ名人です!
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ルール1:シンプル イズ ベスト!短く、分かりやすく
一番大切なのは、スラッグをできるだけ短く、そして内容が一目で分かるようにすることです。理想は2~4語程度の英単語です。
例えば、「WordPressの初心者向け基本的な使い方と設定方法の完全ガイド」という長いタイトルの記事があったとします。これを全部スラッグにしようとすると、
/wordpress-beginner-basic-usage-settings-complete-guide
と、非常に長くなってしまいます。これでは分かりにくいですよね。
もっと短く、記事の核心を表す言葉を選びましょう。例えば、
/wordpress-beginner-guide
とか/wordpress-basic-setup
くらいがスッキリしていて良いでしょう。不要な単語(「の」「と」「は」のような助詞や、「完全な」のような修飾語など)はバッサリ削除!記事のテーマを表す最も重要なキーワードだけを残すイメージです。
悪い例:
/article-105
(内容が全く分からない)/how-to-make-a-very-delicious-and-easy-curry-for-beginners-001
(長すぎる)
良い例:
/curry-recipe
/wordpress-seo
-
ルール2:キーワードを入れよう!ただし欲張りすぎない
先ほどSEOのお話でも触れましたが、スラッグにはその記事がどんなキーワードで検索されたいか、という「ターゲットキーワード」を自然な形で含めるのが効果的です。
例えば、「ロボット掃除機の選び方」という記事なら、「robot-vacuum-choice」や「robot-cleaner-select」のように、「ロボット掃除機」「選び方」といったキーワードを入れると良いでしょう。
ただし、ここでも注意!キーワードを無理やり詰め込みすぎると、かえって読みにくく、検索エンジンからも「なんだか不自然だな…」と評価を下げられてしまう可能性があります。例えば、
/robot-vacuum-robot-cleaner-choice-select-osusume-ranking
のようなスラッグは、キーワードの羅列になっていてNGです。キーワードは1つか2つ、多くても3つくらいまでにして、あくまで自然で分かりやすい範囲に留めましょう。
どのキーワードを入れるか迷ったら、「この記事を一言で表すなら?」と考えてみると良いですよ。
-
ルール3:単語と単語の間は「ハイフン(-)」でつなごう
スラッグに複数の単語を使う場合、単語と単語の間はどうやって区切ればいいのでしょうか? 正解は「半角のハイフン(-)」です。
例えば、「cat food」という2つの単語をスラッグにするなら、「
cat-food
」となります。よくある間違いとして、「アンダースコア(_)」(例:
cat_food
)を使ってしまったり、単語を全部つなげてしまう(例:catfood
)ケースがありますが、これはあまりオススメできません。Googleは公式に「URLではハイフンを使うことを推奨します」と述べています。ハイフンで区切ることで、検索エンジンが各単語を正しく認識しやすくなり、人間にとっても読みやすくなるというメリットがあります。
悪い例:
/wordpress_basic_settings
(アンダースコア使用)/wordpressbasicsettings
(単語が繋がっている)/wordpress basic settings
(スペースはURLでは使えません。%20
に変換されてしまいます)
良い例:
/wordpress-basic-settings
(ハイフンで区切られている)
キーボードのマイナス記号(ひらがなの「ほ」のキーのあたりにあります)を半角で入力すればOKです。
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ルール4:アルファベットは「小文字」で統一しよう
スラッグにアルファベットを使う場合は、すべて小文字で統一するのが一般的で、推奨されています。
例えば、「
My-First-Blog
」のように大文字と小文字を混ぜるのではなく、「my-first-blog
」のように全て小文字にしましょう。なぜなら、ウェブサーバーの種類によっては、大文字と小文字を区別してしまい、「
My-First-Blog
」と「my-first-blog
」を別々のページとして認識してしまうことがあるからです。そうなると、リンク切れの原因になったり、SEOの評価が分散してしまったりする可能性があります。「そんな細かいこと…」と思うかもしれませんが、こうした小さな積み重ねが、後々のトラブルを防ぐことにつながります。最初から「スラッグは小文字で!」と覚えておけば間違いありません。
-
ルール5:日本語は避けて、英語かローマ字が無難
冒頭でも触れましたが、スラッグに日本語(全角文字)を使うのは、できるだけ避けましょう。理由は、URLエンコードされて長くて意味不明な文字列になってしまうからです。
https://example.com/ワードプレスの使い方
→https://example.com/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%81%AE%E4%BD%BF%E3%81%84%E6%96%B9
これでは、せっかく分かりやすい記事を書いても、URLを見ただけでは内容が伝わりません。
ではどうすれば良いかというと、英語にするのが一番理想的です。もし適切な英単語が思い浮かばなければ、ヘボン式のローマ字表記でもOKです。例えば、「初心者」なら「shoshinsha」のようにします。
日本語スラッグの例:
/パソコンおすすめ
(非推奨)英語スラッグの良い例:
/pc-recommend
ローマ字スラッグの良い例:
/pasokon-osusume
英語の方が海外の読者にも伝わりやすいですし、よりスマートな印象になりますが、無理に難しい英単語を使う必要はありません。まずは「日本語を避ける」ということを意識してくださいね。
ちなみに、数字(0〜9)や一部の記号(ハイフンなど)はスラッグに使っても問題ありませんが、特殊な記号やスペースは使わないようにしましょう。
スラッグ作成ルールのまとめ
- 短く、分かりやすく(2~4語程度が目安)
- キーワードを自然に含める(詰め込みすぎはNG)
- 単語間はハイフン「-」でつなぐ
- アルファベットは小文字で統一
- 日本語は避け、英語かローマ字で
WordPressでのスラッグ設定方法~3ステップで超簡単!~
「スラッグの重要性も作り方も分かったけど、実際にWordPressでどうやって設定するの?」という方のために、ここからは具体的な設定手順を解説します。とっても簡単なので、安心してくださいね!
WordPressでスラッグを設定・編集する方法は、主に記事を新しく書くとき(新規投稿)と、すでに公開されている記事を編集するときの2パターンありますが、基本的な操作は同じです。
ステップ1:投稿編集画面を開く
まずは、WordPressの管理画面(ダッシュボード)にログインし、新しい記事を書く場合は左側のメニューから「投稿」→「新規追加」をクリックします。既存の記事のスラッグを編集したい場合は、「投稿」→「投稿一覧」から該当の記事を選んで「編集」をクリックしてください。
すると、おなじみの記事の編集画面が開きますね。
ステップ2:タイトルを入力し、パーマリンク(スラッグ)を確認・編集する
まず、記事のタイトルを入力します。例えば、「春におすすめのピクニックレシピ集」と入力したとしましょう。
タイトルを入力して少し待つか、一度「下書き保存」ボタンを押すと、タイトルのすぐ下に「パーマリンク」という項目が表示され、その中にURLの一部として自動生成されたスラッグが表示されます。初期設定やテーマによっては、日本語のタイトルがそのままスラッグになっていることがあります。
この自動生成されたスラッグを編集したい場合は、パーマリンクの右側にある「編集」ボタン(WordPressのバージョンやエディタの種類によっては、URLの部分を直接クリックする場合もあります)をクリックします。
すると、スラッグ部分が入力できるようになります。ここに、先ほど学んだ「スラッグ作成の黄金ルール」に従って、新しいスラッグを入力しましょう。
例えば、「春におすすめのピクニックレシピ集」なら、「spring-picnic-recipes
」のような感じですね。
入力が終わったら、「OK」ボタン(またはエンターキー)を押します。
ステップ3:変更を保存する
スラッグの編集が終わったら、最後に必ず記事全体の変更を保存しましょう。新規記事の場合は右上の「公開」ボタン、既存記事の場合は「更新」ボタンをクリックします。
これで、あなたの設定したスラッグが記事のURLに反映されます!簡単ですよね?
【ワンポイントアドバイス】
スラッグは、記事を最初に公開する前に設定するのがベストです。なぜなら、一度公開した記事のスラッグ(つまりURL)を変更すると、ちょっと面倒なことが起こる可能性があるからです(詳しくは後述の「スラッグ変更時の注意点」で解説します)。なので、記事タイトルを決めたら、すぐにスラッグもチェックして、必要なら編集するクセをつけると良いですよ!
スラッグとパーマリンクの深い関係~URL全体の設計図~
「スラッグ」と一緒によく聞く言葉に「パーマリンク」というものがあります。この二つ、実はとっても仲良しなんです。いや、むしろ親子のような関係と言った方がいいかもしれません。
パーマリンク(Permanent Link)とは、その名の通り「恒久的な(Permanent)リンク」という意味で、ウェブサイトの各ページに付けられる個別のURL全体の構造のことを指します。家で例えるなら、パーマリンクは「〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3 △△マンション 101号室」という「住所全体」のようなものです。
そして、これまでお話してきたスラッグは、このパーマリンク構造の中の、主に記事やページ固有の識別子(ニックネーム)として使われる部分、つまり「101号室」の部分にあたります。
WordPressでは、このパーマリンク全体の「型(どんな情報をどんな順番でURLに含めるか)」をあらかじめ設定しておくことができます。管理画面の「設定」→「パーマリンク設定」から行います。
例えば、パーマリンク設定で一般的なのは以下のようなものです。
- 投稿名:
https://office-bBology.com/%postname%/
(スラッグのみが表示される一番シンプルな形) - 日付と投稿名:
https://office-bBology.com/2025/06/05/%postname%/
(日付とスラッグが表示される) - カテゴリーと投稿名:
https://office-bBology.com/%category%/%postname%/
(カテゴリ名とスラッグが表示される)
この%postname%
というのが、まさに各記事で設定する「スラッグ」に置き換わる部分です。%category%
は、その記事が属するカテゴリーのスラッグに置き換わります。
初心者の方に「Officeの備忘録」としておすすめなのは、「投稿名」 (/%postname%/
) です。これが一番シンプルでURLが短くなり、SEO的にも不利になることはありません。もしカテゴリー構造がしっかりしていて、URLにカテゴリー名を入れたい場合は「カテゴリーと投稿名」(/%category%/%postname%/
)も良いでしょう。ただし、この場合、カテゴリー名も英語やローマ字の分かりやすいスラッグにしておく必要があります。
重要なのは、パーマリンク設定は、ブログを始めたらできるだけ早い段階で設定し、その後はむやみに変更しないことです。なぜなら、パーマリンク構造を変えると、サイト内の全ての記事のURLが変わってしまい、SEO評価に大きな影響が出たり、外部からのリンクが全てリンク切れになったりする大惨事につながる可能性があるからです。
スラッグは記事ごとに設定するものですが、そのスラッグがURLのどこにどう表示されるかは、このパーマリンク設定によって決まる、という関係性を覚えておいてくださいね。
もっとSEO効果を高める!スラッグ最適化の応用テクニックと注意点
基本的なスラッグの作り方と設定方法が分かったところで、さらに一歩進んで、SEO効果をより高めるためのスラッグ最適化のポイントや、やってはいけない注意点についてもお伝えします。
スラッグの文字数はどれくらいが良いの?
「短く」とは言ったけど、具体的にどれくらいの長さが良いのでしょうか?明確な文字数制限があるわけではありませんが、一般的には3語~5語程度、長くても60文字以内に収めるのが理想的と言われています。
あまりに長すぎると、
- 読者にとって覚えにくい、分かりにくい。
- 検索結果でURLが途中で省略されてしまうことがある。
- SNSでシェアされたときに見栄えが悪い。
といったデメリットがあります。Googleのジョン・ミューラー氏も「URLはできるだけ短くシンプルな方が良い」という趣旨の発言をしています。キーワードを意識しつつも、簡潔さを常に心がけましょう。
「ストップワード」は削除しよう!
ストップワードとは、検索エンジンが意味をあまり重視しない、一般的すぎる単語のことです。例えば、英語の「a」「the」「is」「of」「in」「on」や、日本語の助詞「は」「が」「の」「を」などがこれにあたります。
スラッグを作るとき、これらのストップワードは積極的に削除してしまってOKです。これにより、スラッグがより短く、重要なキーワードが際立つようになります。
例: タイトル「A Guide on How to Use WordPress」
- ストップワードを残したスラッグ:
/a-guide-on-how-to-use-wordpress
(ちょっと長い) - ストップワードを削除したスラッグ:
/guide-use-wordpress
または/wordpress-usage-guide
(スッキリ!)
ただし、無理に削除して意味が通じなくなる場合は残しても構いません。バランスが大切です。
数字や日付はスラッグに入れるべき?
記事の内容によっては、スラッグに数字(例えば「2025年版おすすめ〇〇選」の「2025」など)や日付を入れたくなることがあるかもしれません。
これについては、一概に良い・悪いとは言えません。もしその数字や日付が毎年更新されるような情報(例:最新版ランキング、イベント情報)であれば、スラッグには含めない方が良いでしょう。 なぜなら、翌年情報を更新した際に、スラッグも変える必要が出てきてしまうからです(URLが変わってしまう)。
例えば、「/best-smartphone-2025
」というスラッグの記事を2026年に更新する場合、スラッグも「/best-smartphone-2026
」に変えたくなりますよね。でも、URLが変わるとSEO評価がリセットされたり、古いURLへのリンクが無効になったりする可能性があります。
このような場合は、「/best-smartphones
」のような普遍的なスラッグにしておき、記事のタイトルや本文中で年号を更新するのが賢明です。
一方で、歴史的な出来事や、その年号自体に意味がある場合は、スラッグに含めても問題ありません。
【超重要】公開済みの記事のスラッグを変更するときの注意点と対策
これが一番気をつけてほしいポイントです!すでに公開して、ある程度の期間が経っている記事のスラッグ(つまりURL)を変更するのは、原則として避けるべきです。
なぜなら、URLが変わってしまうと、以下のような大きな問題が発生する可能性があるからです。
- 検索エンジンの評価がリセットされる:新しいURLとして認識され、それまで積み上げてきたSEOの評価が一時的に(場合によっては永続的に)失われることがあります。
- 被リンクが無効になる:他のサイトやSNSからあなたの記事に貼られていたリンクが、全てリンク切れ(404エラー)になってしまいます。せっかくの紹介が無駄になってしまいます。
- ブックマークが無効になる:読者がブラウザでブックマークしていた場合、そのブックマークからもアクセスできなくなります。
- SNSでのシェア数がリセットされる:URLが変わると、SNSでの「いいね!」やシェア数も新しいURLのものとしてカウントされ直します。
これは、お店が突然住所を変えてしまい、常連さんも宅配業者もみんな迷ってしまうようなものです。
「じゃあ、どうしてもスラッグを変えたい場合はどうすればいいの?」
やむを得ずスラッグを変更する場合は、必ず「301リダイレクト設定」というものを行う必要があります。これは、「古い住所(URL)に来た人を、自動的に新しい住所(URL)に転送しますよ」という設定です。郵便局の転送サービスのようなものですね。
301リダイレクトを設定することで、古いURLへのアクセスやSEO評価を、新しいURLにある程度引き継ぐことができます。WordPressの場合、「Redirection」のようなリダイレクト専用のプラグインを使うと比較的簡単に設定できますし、サーバーの設定ファイル(.htaccessファイル)を直接編集する方法もあります(こちらは少し専門知識が必要です)。
古い記事のスラッグ変更は慎重に!
もしスラッグを変更するなら…
- 本当に変更する必要があるのか、よく考える。
- 変更するなら、必ず「301リダイレクト」を設定する。
- リダイレクト設定後、古いURLから新しいURLへ正しく転送されるか確認する。
初心者の方は、できるだけ公開後のスラッグ変更は避けるのが無難です。記事を公開する前に、スラッグをしっかり確認しましょう!
カテゴリーやタグのスラッグも忘れずに!
記事本体のスラッグだけでなく、WordPressでは「カテゴリー」や「タグ」にもスラッグが存在します。これらも、記事のスラッグと同じように、分かりやすい英語やローマ字で設定しておくことをおすすめします。
例えば、「WordPressノウハウ」というカテゴリーを作った場合、そのスラッグが日本語のままだとカテゴリーページのURLもエンコードされてしまいます。これを「wordpress-knowhow
」のように設定しておけば、カテゴリーページのURLもスッキリします。
カテゴリーやタグのスラッグは、それぞれの設定画面(管理画面の「投稿」→「カテゴリー」や「投稿」→「タグ」)から編集できます。
サイト全体のURLを美しく、分かりやすく保つために、ぜひチェックしてみてくださいね。
スラッグに関するよくある質問(Q&A)
ここでは、スラッグに関して初心者の方が抱きがちな疑問について、Q&A形式でお答えします。
- Q1. スラッグは日本語のままでもSEO的に問題ないって聞いたけど?
- A1. 確かに、最近のGoogleは日本語URLを正しく認識する能力が向上しており、日本語スラッグだからといって即座にSEOで不利になるわけではありません。しかし、本記事で説明したように、URLエンコードによる見た目の悪さ、SNSシェア時の不便さ、読者にとっての分かりにくさといったデメリットは依然として存在します。
また、海外の読者や、日本語環境でないユーザーにとっては、エンコードされたURLは全く意味を成しません。グローバルな視点で見ても、英語やローマ字のスラッグの方が汎用性が高いと言えます。総合的に考えると、やはり一手間かけて英語やローマ字に設定するメリットの方が大きいでしょう。
- Q2. 一度決めたスラッグは、絶対に後から変更しちゃダメなの?
- A2. 「絶対にダメ」というわけではありませんが、「細心の注意が必要」です。前述の通り、URLが変わるとSEO評価やリンクに影響が出るため、301リダイレクト設定が必須になります。もし記事の内容が大幅に変わった、ターゲットキーワードが変わったなどの理由で、どうしてもスラッグが内容とそぐわなくなった場合は、リダイレクト設定をきちんと行う前提で変更を検討しても良いでしょう。
ただし、頻繁に変更するのは避けるべきです。できる限り、記事公開前の段階で最適なスラッグを設定するように心がけましょう。
- Q3. 良いスラッグが思い浮かばないんだけど、どうしたらいい?
- A3. 気持ちはよく分かります!最初は難しく感じるかもしれませんね。そんな時は、以下のステップで考えてみてください。
- まず、記事のメインテーマやキーワードを2~3個、日本語で書き出してみる。
- それらを簡単な英単語に置き換えてみる。(Google翻訳なども参考に)
- 不要な単語を削って、ハイフンでつなげてみる。
例えば、「ロボット プログラミング 初心者 教室」というテーマなら、
- 「ロボット」「プログラミング」「初心者」
- 「robot」「programming」「beginner」
robot-programming-beginner
のような感じです。完璧な英語でなくても大丈夫。「伝わること」を優先しましょう。どうしても思いつかなければ、記事タイトルをヘボン式ローマ字にしたものを短縮する、というのも一つの手です。
- Q4. WordPressテーマ(Cocoonなど)によってスラッグの設定方法は違うの?
- A4. WordPressの基本的なスラッグ設定方法は、どのテーマ(Cocoon、SWELL、JINなど)を使っていても共通です。記事の編集画面でパーマリンクを編集する、という手順は変わりません。
ただし、テーマによってはパーマリンク設定の推奨値が示されていたり、SEO関連機能の一部としてスラッグに関する補助機能があったりする可能性はありますが、スラッグそのものの作り方や重要性は同じです。Cocoonをお使いの方も、この記事で解説した方法で問題なく設定できますよ。
まとめ:今日からできる!スラッグ最適化アクションプラン
さて、ここまでWordPressのスラッグについて、その意味から重要性、作り方、設定方法、注意点まで、盛りだくさんでお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
「スラッグ、奥が深いけど、意外と簡単そう!」と感じていただけたら嬉しいです。
最後に、この記事の要点と、あなたが今日からすぐに実践できるアクションプランをまとめました。
スラッグ最適化の総まとめ
- スラッグとは? → URLの最後につく、記事のニックネーム。読者と検索エンジンに内容を伝える役割。
- なぜ重要? → 読者の分かりやすさ向上(UX改善)、検索エンジンからの評価向上(SEO効果)。
- 作り方のコツは? → 短く、キーワードを含め、ハイフンでつなぎ、小文字の英語(またはローマ字)で。
- 設定方法は? → WordPress投稿画面のパーマリンクから簡単に編集可能。
- 最大の注意点は? → 公開後のスラッグ変更は慎重に!変更時は301リダイレクトを忘れずに。
【今日からできる!スラッグ最適化3ステップ】
- これから書く新しい記事は、必ずスラッグを確認・編集しよう!
- 記事タイトルを決めたら、すぐにパーマリンク欄をチェック。
- 日本語のままだったら、本記事の「黄金ルール」に従って、分かりやすい英語かローマ字のスラッグに変更する。
- 公開前に、これでOKか最終確認!
- 過去の記事のスラッグも見直してみよう(ただし慎重に!)
- 特にアクセスが少ない記事や、公開して間もない記事で、日本語スラッグのままになっているものがあれば、変更を検討してみましょう。
- もし変更する場合は、必ず「301リダイレクト」の方法を調べてから実行してください。(心配な場合は、まずは新しい記事から実践するのがおすすめです)
- パーマリンク設定を確認しよう!
- WordPress管理画面の「設定」→「パーマリンク設定」を開き、現在どんな構造になっているか確認しましょう。
- 初心者の方で、もし「基本」(例:
/?p=123
のような形)になっていたら、「投稿名」(/%postname%/
) に変更することを強くおすすめします。(ただし、すでに多くの記事を公開している場合は、変更による影響をよく調べてから行ってください)
スラッグの最適化は、一度やり方を覚えてしまえば、それほど時間も手間もかかりません。しかし、その効果はブログ運営の様々な面でじわじわと効いてきます。読者にとっても、検索エンジンにとっても、そして未来のあなたにとっても、きっと良い結果をもたらしてくれるはずです。
この記事が、あなたのWordPressブログ運営の一助となれば幸いです。ぜひ、今日から「スラッグ」を意識して、より良いブログ作りを目指してくださいね!
次回は、今回少し触れた「パーマリンク設定」について、もっと詳しく掘り下げてみたり、「301リダイレクト」の具体的な設定方法について解説したりするかもしれません。お楽しみに!
この記事とあわせて読みたい「Officeの備忘録」の記事
参考にさせていただいた外部サイト
- Writing Posts – WordPress.org (英語) – WordPress公式サイトの投稿作成に関するドキュメント(スラッグとパーマリンクの項目あり)
- 検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド – Google Search Central – Google公式のSEO基本ガイド
- シンプルな URL 構造を維持する – Google Search Central – Google公式のURL構造に関するガイドライン
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